産後1ヶ月までのママの生活
1ヶ月健診までのママの健康と生活
この時期は新しいママの健康が十分に回復され、
さらに逞しいママになるための大事な充電期間。
家族の強い協力がとても大切な時期です。
1,身体的な変化
子宮の復古
分娩直後に子宮は強く収縮し、おへその下5~センチになります。
その後も徐々に小さくなり、4~6日後にはおへそと恥骨のほぼ中央くらい、
9~10日後には恥骨の上にわずかに触れる程度の大きさになります。
妊娠前と同じ大きさに戻るには6~8週間かかります。
後陣痛
子宮が収縮する際に、下腹部に陣痛のような痛みを感じることがあります。
これは子宮が順調に回復しているサインで、産後2~3日でおさまります。
オッパイを吸わせると刺激によって子宮が収縮するので強く感じたりします。
また、経産婦さんのほうが強く感じるようです。
悪露(おろ)
産後、胎盤が剥がれた部分からの出血や分泌物などが「悪露(おろ)」として排泄されます。
産後3日頃までは赤色や血性のもので量も多く、徐々に褐色~黄色~白色になって量も減ってきます。
産後6週間くらいで消失します。
普段より動く量が多いときには悪露の量が増えることがあります。
貧血
分娩時の出血は500ml未満なら正常とされています。
妊娠中に血液量は1000ml以上増加するため、その程度の出血であればダメージを受けません。
子宮の復古が良好で栄養も十分にとれていれば1ヶ月検診時には「血色素量」が妊娠前よりも上昇していることが多いです。
月経の再来時期
ママの身体の回復状態や授乳の状況によって個人差があります。
早い人で2,3ヶ月、遅い人では1年半や2年という人もいます。
母乳をあげていても月経が来る人もいます。
外陰部
痔
分娩時に出来た小さな傷は1~2週間で治ります。
会陰切開をした場合の傷も、1~2週間で治ります。
妊娠中や分娩時にできた痔も、1~2週間でほとんど治りますが、それまでの間は便秘にならないように気をつけましょう。
退院するときに、痔の薬や便秘の薬の処方を受けると安心です。
体重
分娩後、胎児・胎盤・羊水や出血により、約5~6キロ程度減少します。
さらに、1ヶ月健診までには2~3キロ減少します。
ただ、皮下脂肪のため分娩後2~3ヶ月の時点では妊娠前より数キロ増えていることが多いです。
バランスの良い食事と適度なエクササイズで産後6ヶ月くらいで妊娠前の体重に戻るようにしましょう。
血圧
尿蛋白
浮腫(むくみ)
軽い妊娠中毒症であったならば、分娩後は順調に回復することが多いのですが、十分な安静が必要です。
疲労の回復が十分でないと、産後に症状がでてくるケースがあります。
産後1ヶ月の間は無理をせずに家族の協力のもと安静を心がけて下さい。
2,心理的な変化
マタニティ・ブルー
分娩後の母体のホルモンの急激な変化や育児に対する不安などから、精神状態が不安定になることがあります。
ちょっとしたことで悲しくなったり憂鬱になったり、不安になったり涙もろくなったりします。
ホルモンバランスが安定するまではパパをはじめ、家族の気配りや支えが必要になってきます。
身体的な回復が思わしくないときにもよく見られる症状なので、ママができるだけ休養や栄養が取れるように協力して欲しいと思います。
(医学的に言うと産後3,4日~1,2週間の間に起こる一時的な軽いうつ状態で、約50%のママにみられる一過性の症状です)
夜も眠れない、育児が出来ないほど疲れているなどの場合は医師に相談してみましょう。
3,ママの生活
産後1週目
病院や産院などで過ごす時期。
お産後の疲労回復をはかると共に赤ちゃんの世話の仕方などに慣れる時期です。
「授乳指導」や「沐浴指導」「退院指導」などを受けたりすることが多いです。
わからないことや不安なことは退院するまでに病院のスタッフに質問しましょう。
産後2週目
布団は敷いたままにして、寝たり起きたりの生活をしましょう。
この時期はできるだけ「赤ちゃんの世話」(授乳、おむつ交換)をするくらいにして、
「赤ちゃんとの生活」に慣れるようにします。
シャワーはOKですが、風邪を引かないように気をつけましょう。
産後3週目 経過が順調なら、布団は片づけ簡単な家事なども少しずつ初めていきましょう。
ただ、無理は禁物!「疲れたら休む」が原則です。
産後4週目
買い物など、近くへの外出は大丈夫。
家事労働も少しずつ増やします。ただし頑張りすぎないように。
産後5週目
このころ、出産した病・産院で「1ヶ月健診」を受けます。
診察を受けて異常がなければふだんの生活に戻ります。
性生活も開始して良い、と言われていますが
産後すぐは会陰の傷が気になったり、育児疲れなどで十分に潤わずに性交時に痛みを感じたりすることがありますので、お互いの理解と思いやりが大切です。
薬局に行くと「潤滑ゼリー」という商品がありますので使用すると良いかもしれません。
ただし、「避妊用ゼリー」ではありませんので、コンドームなどと併用して避妊はしっかりとするようにしましょう。
経産婦さんの場合、なかなか休養が取れないという方が多いようです。
上のお子さんの送迎で退院翌日から外出やお弁当づくりなどの話も良く聞きます。
できるだけ無理をせずに、家族に協力してもらいましょう。
一番の協力者はパパです。
この機会にパパに家事の分担をしてもらい援助してもらいましょう。